メールやLINEは不倫の証拠となる?【離婚弁護士が解説】

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弁護士竹下龍之介昨今、不倫問題が世間でも話題になっております。

よく、不貞行為の慰謝料の相場は、200万円から 300万円などと聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

不倫(不貞行為)と慰謝料については、こちらをご覧ください。

確かに、不貞行為が認定されれば、それに近い額の慰謝料の支払い義務を課す裁判例が多いのは事実です。

しかし、不貞行為の認定には意外に高いハードルが設定されています。

この問題について、離婚問題専門の弁護士が解説いたします。

 

 

メールやLINEの文章

不倫している男女間で、メールやLINEのやり取りがなされることがあります。

例えば、以下のような文章です。

女性から男性への連絡のイラスト女性Yから男性Aへ

  1. 「 チュ 」
  2. 「 今電卓を叩きながらAのことを考えている。」
  3. 「 もう少しだけギュウしてほしかったけれど、眠さには勝てないから 」
  4. 「 Hだね。バイアグラはいらないよ、私Hじゃないもん 」
  5. 「 血まみれになるからギュウはできないよ。終わったらして。」

 

男性から女性への連絡のイラスト男性Aから女性Yへ

  1. 「 逢いたいよぅ。この間みたいにいっぱいぶちゅぶちゅしてのんべんだらりと過ごしたいよぅ。」
  2. 「 え~今日こそいちゃいちゃしようと朝から楽しみにしていたのに。。。」
  3. 「 金曜日いちゃいちゃできる? 」
  4. 「 俺の彼女はYちゃんで、Yちゃんの彼氏は俺なんだから 」

 

上記のメールから不貞行為を認定できる?

スマートフォンのイメージイラスト

これらは、実際の不貞行為の慰謝料裁判(東京地裁平成24年11月28日判決)で、原告から提出された証拠のメールの一部です。

この事案は、原告である元妻が、元夫と不貞行為を行ったとして、被告の女性に対し、慰謝料を請求したというものです。

原告は、被告と元夫との間に不貞行為が存在する証拠として、親密な交際を匂わせる上記のメールを提出しました。

一般的な感覚だけでいえば、これらのメールでは、「血まみれになるからギュウはできないよ。終わったらして。」と、生理中の性交渉についてのやりとりがあったり、「いちゃいちゃ」という性交渉を思わせる表現があるなど不貞行為はあったと考える方も多いのではないでしょうか。

 

裁判所の判断

しかしながら、裁判所は、これらのメールからは不貞行為は推認できない(立証できない)と判断しています。

裁判所は、メールについて、それぞれ以下のような具体的な判断を行いました。

「チュ」という表現
本件の文脈ではキスをしたこと前提としているが、それにより性交渉の存在までを推認させるものではない。
「ギュウ」という表現
性的行為の存在を想起させないではないが、それ自体ではあいまいな表現というほかない。
「血まみれ」という表現
生理中の性交渉を想像させる余地のある表現ではあるが、内容があいまないな部分が残り、文脈としては、生理中に性交渉をもったというよりは、やんわりとこれを断った表現であり、これをもって性交渉があったことの確かな根拠とすることはできない。
「いちゃいちゃ」「ぶちゅぶちゅ」などの表現
被告と原告の元夫の不適切な関係を暗示するかのようなものではがあるが、これらも上記「ギュウ」の表現と同様、その内容は曖昧であり、性交渉の存在を確かめる確かな証拠とまではいえない。

 

そのうえで、「これらは全体として、被告と原告の元夫の不適切な交際を想起させるようなものであり、Aの妻であった原告が、被告とAの不貞関係を疑ったことは無理からぬものであるものの、これらを総合しても、現実に被告とAが性交渉を持ったと認めることは困難であり、不貞関係の存在を認めることはできない。」として、不貞行為を認定しませんでした。

 

 

不倫の証拠の重要性

泣く女性上記の事案で、敗訴した原告はとても悔しかったと思います。

上記のようなメールのやり取りがあれば、誰しも怪しい関係があるのは明らかです。

しかし、裁判所は「不貞行為」と認めてくれませんでした。

不貞行為が認定されると、以下のような影響が生じます。

 

慰謝料の支払い命令

相手の不貞行為が認定されると、慰謝料の支払いが認められます。

慰謝料は、裁判所の相場では、200万円から 300万円程度と予想されます。

※ただし、事案によって異なります。

慰謝料の相場について、詳しくはこちらのページをご覧ください。

 

悔しい気持ちを晴らすことができる

困る女性のイメージイラスト不貞行為が認定されると、単に慰謝料の支払いが認められるだけではありません。

相手が不誠実に不倫を認めず、裁判で戦った結果、敗訴すると、とても悔しく感じるはずです。

適切な証拠があれば、このような悔しい思いをせずに済みます。

このような感情的な問題は、金銭以上に大切だと考えられます。

 

裁判を回避できる可能性がある

裁判所裁判は、解決までに長期間を要する傾向です。

また、単なる示談交渉の場合と比較すると、弁護士費用も比較的、高額になる傾向にあります。

当事務所の弁護士費用はこちらのページをご覧ください。

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さらに、裁判のための打ち合わせなどで、労力を費やします。

そして、裁判では、相手から、反論の主張があるため、これによって、多大なストレスを感じると思われます。

例えば、被害者側に問題があった、結婚生活はすでに破綻していた、などが典型です。

したがって、裁判を進めていくと、被害者の方が2次被害を受ける可能性があるのです。

適切な証拠をそろえておけば、このような裁判を回避できる可能性があります。

こちらから、証拠をもとに、具体的な不貞行為を指摘すれば、相手が「裁判では勝ち目がない」と判断し、争わなくなる可能性があるからです。

 

 

証拠の集め方

後々、悔しい思いや大変な裁判を回避するためにも、不倫の証拠は必要です。

では、どのようにして証拠を集めればよいでしょうか。

不倫の証拠の集め方について、くわしくはこちらのページで解説しています。

 

 

メール等と不倫についてのまとめ

不倫については、立証できると思っていた証拠が裁判では役に立たない可能性があります。

また、不倫が認められないと、単に慰謝料を請求できないだけではなく、精神的なストレスや裁判の負担などの問題が懸念されます。

不倫の証拠として十分か、という判断はご本人では難しいと思われます。

そのため、可能であれば、離婚問題に精通した弁護士へのご相談をお勧めいたします。

当事務所は、離婚や男女問題について、注力する弁護士のみで構成される専門チームがあり、不倫の証拠収集について、強力にサポートしています。

不倫の証拠でお困りの方は、独りで悩まずにお気軽にご相談ください。

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