ADHDの相手との離婚したい【弁護士が解説】

  

弁護士宮﨑晃当事務所の離婚事件チームは、離婚事件に注力する弁護士で構成されるチームであり、離婚に関する様々な悩みをお聞きします。

ご相談の中で、パートナーがADHDであったため、夫婦関係が破綻してしまったというケースが増えてきています。

ここでは、ADHDの相手との離婚問題について、専門の弁護が解説しますので、ご参考にされてください。

 

 

ADHDとは

ADHD(注意欠陥・多動性障害)は、発達障害のひとつで、子どものころからその特徴があらわれ、大人になっても継続していくこともあります。

離婚したくない場合

相手がADHDである場合、食事の支度や掃除がまったくできない、前もって決めていた予定を忘れてしまう、自己中心的で休日の予定を勝手に入れてしまうなど、周りのご夫婦よりもつらい思いしていると感じることも多いかもしれません。

しかし、ADHDに関する世間の理解はまだまだ十分なものではありません。

あなたが疑問を感じている結婚相手の行動について相談しても、なかなか周囲の人からの理解が得られず、苦しんでいらっしゃるかもしれません。

ADHDは、本人や周囲の努力によって、症状を軽減することは可能です。

お互いが努力することにより穏やかな夫婦生活を築いていくことができれば、それがご夫婦にとって最良の道であることは言うまでもありません。

なお、当事務所では、離婚したくない方については、夫婦関係修復のためのサポートを提供しています。

詳しくはこちらのページで解説しています。

 

 

離婚は可能?

平穏な夫婦生活が難しい場合、あなたの心労ははかりしれないものになりかねません。

ADHDの相手と夫婦生活を継続させる自信がない場合、離婚もやむを得ないでしょう。

離婚の場合、法律上の「離婚原因があるか否か」がポイントとなります。

離婚原因とは、法律上、裁判所が離婚を認めてくれる場合を言い、民法は、次の5つの場合を定めています。

上記のとおり、ADHDについては、明確な記載がありません。ADHDは一般には強度の精神病には該当しないと考えられます。

ADHDあまりにも強く、悪質な場合であれば、⑤の婚姻を継続し難い重大な事由に該当する可能性があります。

しかし、通常の場合、ADHDだけが理由では、離婚原因に該当する可能性は低いと思われます。

このように、離婚原因が認められない事案の場合に大切なことは、できるだけ裁判は避けて、協議や調停で解決するということです。

協議や調停であれば、法定の離婚原因がなくても、相手が離婚に応じてくれれば離婚が成立します。

 

 

相手と協議にならない

離婚相手と離婚協議が進まない場合、離婚の専門家にご相談ください。

弁護士等の第三者を入れて話し合うことで、離婚の話が進む可能性は十分にあります。

また、仮に離婚の話合いがまとまらなかったとしても、アスペルガー症候群と同様、ADHDであることのみをもって離婚の原因とすることは困難ですが、一つ一つのエピソードや他の事情も考慮することにより、法律上の離婚原因である「その他婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)の要件をみたす可能性があります。

 

 

親権はどうなる?

一方配偶者がADHDの場合、これを理由に親権を取得できないかというご相談が多く寄せられています。

そのため、親権の取得について、裁判所の判断基準について、解説します。

親権者の指定について、民法は「子の利益のために必要がある」と規定するのみであり、判断基準は解釈に委ねられていますが、考慮すべき具体的事情として、次の要素をあげている裁判官の文献が参考となります(松原正明「家庭における子の親権者・監護権者を定める基準」夫婦親子二一五題・判例タイムズ747号・305頁)。

父母の側の事情
監護に対する意欲と能力、健康状態、経済的・精神的家庭環境、居住・教育環境、子に対する愛情の程度、実家の資産、親族・友人等の援助の可能性など
子の側の事情
年齢、性別、兄弟姉妹関係、心身の発育状況、従来の環境への適応状況、環境の変化への対応性、子自身の意向など

このように、親権は様々な諸事情を総合考慮して判断されます。

親権について、詳しくはこちらのページで解説しています。

ADHDについては、それだけを理由として、親権者として不適格とはいえません。

ただ、ADHDの症状が重く、子育てに悪影響が生じていれば、親権者として不利な事情の一つとなりえるでしょう。

個別具体的な状況をもとに判断することになりますので、親権についてご不安な方は、専門家にご相談されることをお勧めいたします。

 

 

まとめ

弁護士以上、ADHDの離婚問題について、詳しく解説しましたがいかがだったでしょうか。

ADHDの事案の場合、まず、状況の深刻さを理解することが重要です。

そして、離婚を決意される場合は、相手との協議による解決を検討します。

しかし、コミュニケーションが難しい場合は、離婚調停の申し立てを選択肢として持つべきです。

いずれにせよ、一人で抱え込まずに専門家に相談することが大切です。

当事務所の離婚事件チームは、ADHDの離婚事案について、専門知識とノウハウを共有しております。

近くに専門家がいない遠方の方については、当事務所ではLINEなどを利用したオンライン相談が可能です。

離婚でお困りの方は、当事務所までお気軽にご相談ください。

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