面会交流に応じない【離婚弁護士が対応を解説】

執筆者
弁護士法人デイライト法律事務所 弁護士。
離婚分野に注力し、事務所全体の離婚・男女問題の相談件数は年間700件を超える。(2019年実績)

掲載日:2017年1月23日|最終更新日:2020年1月28日

面会交流とは?

面会交流は、簡単に言えば、別居している親が同居している親と会うという制度です。

最近では、子の福祉という側面が重視され、子どものための権利という意味合いが強まっています。

そのため、同居親の一方的な判断で面会交流を拒絶することは、子の福祉の観点から許されません。

 

 

面会交流を拒否されたらどうすればいい?

では、面会交流を申し入れたにも関わらず、同居親に拒否されてしまったらどうすればいいのでしょうか。

この場合、面会交流を求める側の親は、面会交流の調停(及び審判)を家庭裁判所に申立てることが可能です。

 

面会交流の調停

調停では、月に1回ほど期日が開かれ、面会交流についての双方の考えをぶつけ合いながら話合いを行います。

場合によっては、家庭裁判所調査官という専門家が双方及び子と面談調査を行い、面会交流についての意見を述べることもあります。

近年では、面会交流が子の福祉に反することが明確な場合等の特段の事情がある場合をのぞき、原則実施の方向で意見を述べることがほとんどと思われます。

すなわち、近年の家裁実務では、子と非監護親が交流を続けることが子の利益に資する点を重視し、子どもが拒否的な意思を持っていたとしても、その背景を探り、虐待などがない限り、丁寧な事実調査をする過程等で父母に葛藤を解消する協力を求め、調整活動を行い、子どもの拒否がやわらぐ方向に変化することを目指しているのです。

 

面会交流の審判

そして、調停で、話合いがまとまらない場合は、審判に移行します。

審判とは、家庭裁判所の裁判官が、面会交流の在り方について判断するものです。

 

 

面会交流の審判に相手が従わない場合

面会交流の審判に、同居親が従わなかった場合にとりうる手段は間接強制です。

間接強制とは
間接強制とは、民事執行法に基づく強制執行の一種で、裁判所が、「従わなければ金銭の支払を命じる」との決定を出すことで心理的な圧力をかけ、自発的な履行を促す強制執行の手段です。

 

間接強制に関する重要判例

判例  関節強制を認めた最高裁判決

この事案では、以下のような面会交流についての審判がなされていたところ、間接強制の可否が争われたものです。

監護親の主張は、子どもが面会を拒否しているから、間接強制は許されないはずだというものでした。

取り決めていた面会交流の方法

  1. (1) 面会交流の日程等は、月1回、毎月第2土曜日の午前10時から午後4時までとし、場所は、子の福祉を考慮して非監護親の自宅以外の非監護親が定めた場所とする。
  2. (2) 子の受渡場所は、監護親の自宅以外の場所とし、当事者間で協議して定めるが、協議が調わないときは、所定の駅改札口付近とし、監護親は、面会交流開始時に、受渡場所において子を非監護親に引き渡し、子を引き渡す場面のほかは、面会交流に立ち会わず、非監護親は、面会交流終了時に、受渡場所において子を監護親に引き渡す。

最高裁判所による判決

「監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判において、面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流時間の長さ、子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合は、上記審判に基づき監護親に対し間接強制決定をすることができると解するのが相当である。

そして、子の面会交流に係る審判は、子の心情等を踏まえた上でされているといえる。

したがって、監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判がされた場合、子が非監護親との面会交流を拒絶する意思を示していることは、これをもって、上記審判時とは異なる状況が生じたといえるときは上記審判に係る面会交流を禁止し、又は面会交流についての新たな条項を定めるための調停や審判を申し立てる理由となり得ることなどは格別、上記審判に基づく間接強制決定をすることを妨げる理由となるものではない。」

(最高裁 H25.3.28)


弁護士竹下龍之介

弁護士の説明

つまり、「子どもが面会を拒む意思を示しているという事情は、面会交流の審判の際には考慮されていたでしょう。

そうである以上は、子どもの面会拒絶の意思は、間接強制できない理由にはなりませんよ。」ということです。

 

判例  高額な間接強制を認めた判例

裁判所この事案は、母親が長女と同居している父親に対して、面会交流を求めました。

父側は、面会交流を拒絶し、その理由として、連れ去りの危険を主張していました。

しかし、結局は「月に1回、5時間程度の面会交流を行う」旨の審判がなされました。

ところが、審判が出て確定した後も父は面会交流に応じませんでした。

そこで、母が家裁に間接強制の申し立てを行ったところ、家裁は父に対し、1回の拒否につき100万円を母に支払う方法での間接強制を認めました。

(東京家裁H28.10.4)

ただし、この事例では、審判を不服とした父側が、高等裁判所に抗告し、以下のとおり、減額されています。


東京高裁は、100万円はあまりに過大で相当ではないとして、30万円に減額する判断を示しました。

ただし、東京高裁も、「本件の事例においては、少額の支払いを命じるだけでは、面会交流の実現は困難である」旨を示し、家裁の判断に一定の理解は示しています。

(東京高裁H29.2.8)

 

 

面会交流の間接強制の額は?

前掲の最高裁の事例では、1回の拒絶につき5万円でした。

このように、現在の実務では、5万~10万円になることが多いようです。

しかし、面会交流への抵抗が強く、かつ、同居親に資力がある場合、間接強制で決まった額を支払ってでも面会交流を拒みたいという親も一定数いるようです。

そのため、間接強制の実効性の観点から、前掲の東京家裁の事案のように、高額な間接強制を認める場合もあり得ます。

子どもの同居親の収入や子どもの状況などが大きく影響すると考えられます。

 

 

面会交流の相談

面会交流は、同居していない親にとって、子どもと触れ合うことができる権利です。

また、親だけでなく、子どもの健やかな成長のためにも重要な機会です。

そのため、面会交流については、その実施の是非、実施する場合は頻度や方法などを慎重に判断する必要があります。

そして、適切に判断するためには離婚問題に関する専門知識や豊富な経験が必要となります。

そのため、可能であれば、離婚問題に精通した弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

当事務所には、面会交流に注力した弁護士のみで構成される離婚事件チームがあり、面会交流で悩まれる方々を強力にサポートしています。

面会交流でお悩みの方は、当事務所の離婚弁護士までお気軽にご相談ください。

デイライトの面会交流サポートについて、詳しくはこちらのページをご覧ください。

ご相談の流れはこちらからどうぞ。

 

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