分割の対象となるのは、夫の年金だけなのですか?
A) 違います。
男性側の質問に多いのが、「なんで自分だけ年金が分割されるんですか?」「相手も収入があるのに、相手の年金は分割されないなんておかしいじゃないですか?」といったものです。
しかし、これは誤解です。
分割の対象となるのは、夫婦双方の結婚期間中の標準報酬総額の合計額であり、夫婦の一方の対象期間標準報酬総額ではありません。
分かりやすいように、具体例で示すと、例えば、夫と妻の結婚期間中の標準報酬総額が分割前にはそれぞれ8000万円と2000万円であったとします。
この場合、案分割合を50%とすると、分割により夫から妻に割り当てるのは、4000万円ではなく3000万円となります。夫婦双方の対象期間標準報酬総額の合 計額(1億円)に対する、妻の分割後における対象期間標準報酬総額(5000万円)の割合が50%となるのです。
執筆者

弁護士 宮崎晃
弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士
所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会
保有資格 / 弁護士・税理士・MBA
専門領域 / 個人分野:家事事件 法人分野:労務問題
実績紹介 / 離婚の相談件数年間700件超え(2019年実績)を誇るデイライト法律事務所の代表弁護士。離婚問題に関して、弁護士や市民向けのセミナー講師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおいて離婚問題での取材実績がある。「真の離婚問題解決法」「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を執筆。
