離婚後でも財産分与を請求できますか?
とにかく早急な離婚を望まれた場合などに、財産分与についての合意をすることなく離婚してしまった方もいらっしゃるかと思います。
離婚が成立した時点から2年以内であれば、財産分与を請求することはできます。
なお、この2年間という期間は、「除斥期間」というものです。除斥期間とは、その期間が経過したことをもって権利消滅の効果を認める制度ですので、慰謝料請求権の時効と異なり、中断や停止は認められません。延ばすこともできません。
そのため、離婚成立から2年以内に、財産分与調停や審判を申し立てるという方法で請求を行わないと、財産分与の対象財産があったとしても、二度と請求をすることはできなくなってしまいます。
この請求は、口頭で財産分与をしたい旨を相手方に伝えたり、書面を送ったりすることでは不十分です。
ただし、離婚成立から2年以内に調停・審判を申し立てると、調停・審判が行われている間に2年が経過してしまっても、調停・審判が成立するまでは財産分与を請求することができます。
2年以内の申立て、がポイントです。
財産分与は、夫婦で婚姻中に築き上げた財産を離婚にあたってきちんと清算するという制度であり、離婚後に安定した生活を送るための礎となるものです。
期間制限には十分に注意して、財産分与請求権が消滅することのないよう気を付けてください。

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士
所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会
保有資格 / 弁護士・税理士・MBA
専門領域 / 個人分野:家事事件 法人分野:労務問題
実績紹介 / 離婚の相談件数年間700件超え(2019年実績)を誇るデイライト法律事務所の代表弁護士。離婚問題に関して、弁護士や市民向けのセミナー講師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおいて離婚問題での取材実績がある。「真の離婚問題解決法」「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を執筆。
