親の反対を理由に婚約破棄。婚約者の親に慰謝料請求できますか?

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

弁護士の回答

婚約者と親に慰謝料を請求できる場合があります。

 

婚約破棄とは

婚約破棄とは、婚約成立後、正当な理由なく、婚約を解消することをいいます。

では、婚約とは何でしょうか。

 

婚約成立の定義

男女間に将来結婚しようという合意をいい、口約束でも成立します。

例えば、男性が女性にプロポーズをして、女性がそれを受け入れれば、婚約は成立します。

特に、結納や婚約指輪は必要ではありません。

 

 

 

 

正当な理由とは

慰謝料婚約の解消について、正当な理由があれば、慰謝料の支払いは認められません。

例えば、婚約者から、虐待・暴行・重大な侮辱を受けたような場合は、正当な理由があると認められるでしょう。

反対に、他に好きな人ができた、などの場合、正当な理由とは認められません。

正当な理由の有無について、詳しくはこちらのページで確認可能です。

 

 

親からの反対

悩む女性では、親からの反対にあったという理由は、正当な理由として認められるでしょうか。

この場合、親が反対する理由にもよりますが、基本的には正当性はないと考えられます。

ご相談で多いのは、親が気に入らなかった、家柄が悪いと言われた、親が「将来が不安」と言っている、などのパターンです。

親の反対にあっている本人としては、同しようもないかもしれませんが、婚約している相手にとっては、正当性はないものと考えられます。

したがって、このような理由で婚約を破棄されたら、破棄した婚約者に対し、慰謝料を請求することが可能と考えます。

なお、婚約破棄の場合の慰謝料の相場についてはこちらのページで解説しています。

 

 

親に対する慰謝料は可能?

婚約者の親の反対にあったために婚約を解消することになったから、婚約者だけでなく、婚約者の親に慰謝料を請求したいという場合も少なくないのではないでしょうか。

婚約の不当破棄に親が関与している場合、関与の態様が不法行為と評価できるものであれば、慰謝料を請求できる可能性があります。

とはいえ、相手方の親は婚約した本人でないため、慰謝料が請求できるといえるためには、その関与の態様が相当悪質であることが要求されます。

そのため、その親が単に反対するだけでなく、積極的に干渉、妨害してきたといえる場合には、その親に対しても損害賠償を請求することが可能な場合があります。

 

判例 婚約を不当破棄した男性と母親の共同不法行為の成立を認めた例 (徳島地判昭和57.6.21)


判決のイメージイラスト
この裁判例は、破棄した婚約相手の男性の母親に慰謝料の支払義務を認めました。この事案では、婚約相手自身は結婚について優柔不断な態度を示しているのみであった状況において、母親が破棄された女性の欠点をあげつらね、強固に結婚に反対していました。

裁判所は、母親のここまで強い反対がなければ男性は結婚していたといえると認定し、母親にも慰謝料の賠償責任を認めました。

 

 

婚約破棄についてのまとめ

以上、親から反対されて婚約を破棄する場合の問題について、解説しましたがいかがだったでしょうか。

通常、親からの反対は婚約破棄の正当な理由とはならず、婚約者に対して、慰謝料の請求が可能です。

また、相手の親が悪質な場合、共同不法行為が成立し、親に対しても慰謝料を請求することが可能です。

しかし、婚約破棄の立証の可否や適正額については、個別の状況によって判断することとなります。

これらを適切に判断するためには専門的な知識や経験が必要ですので、婚約破棄に精通した専門家に相談されることをお勧めします

当事務所は、婚約破棄の問題について、離婚や男女問題に注力した弁護士が親身にサポートを行っています。

全国対応しており、遠方の方に対しては、LINEなどを活用したオンライン相談も実施しています。

お一人で悩まずに、お気軽にご相談ください。

ご相談の流れはこちらをご覧ください。

 

 

婚約破棄
執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

専門領域 / 個人分野:離婚事件 法人分野:労働問題  

実績紹介 / 離婚の相談件数年間700件超え(2019年実績)を誇るデイライト法律事務所の代表弁護士。離婚問題に関して、弁護士や市民向けのセミナー講師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおいて離婚問題での取材実績がある。「真の離婚問題解決法」「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を執筆。



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