探偵費用を不貞慰謝料請求の際に一緒に請求することはできますか?

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

探偵費用が慰謝料の一部として認められるか否かは事件によって異なり、裁判所は認める場合と認めない場合があります。

ただし、あまり期待しないほうが良いでしょう。

不貞行為を理由とする損害賠償請求は、民法上は不法行為(民法709条)を根拠としています。

慰謝料として認められるためには、当該支出が不法行為に基づく損害である必要があります。

不法行為に基づく損害とは、不法行為と損害の間に因果関係があることをいいます。

すなわち、不貞慰謝料を求める場合には、この不貞行為があった場合には、通常は探偵費用が必要だと言えれば、探偵費用も不法行為に基づく損害として認められることになります。

そうだとすると、今回のケースで調査会社に依頼したときにかかる費用を慰謝料の額に算入するためには、探偵に依頼しなければ不貞行為の事実を立証することができなかったことが必要となるのです。

 

 

調査費用を損害として認めなかった裁判例

以下のような場合、わざわざ調査会社に調査を依頼する必要性・相当性が認められないとして、調査費用を慰謝料の中に算入することを否定しています。

東京地裁 平成22年2月23日

調査の前に配偶者に不貞を問いただしたこともなく、当初から不貞相手が、調査対象の期間外での不貞行為の事実を認めていた場合

東京地裁 平成22年12月21日

配偶者と不貞相手との密会の様子についての配偶者のSNSへの書き込みがあることを把握していた場合

これらのことからすると、相手方が既に不貞の事実を認めていた場合や、他に証拠が存在していた場合には、調査費用の慰謝料算入は認められないものと考えられるでしょう。

 

 

調査費用の一部を損害として認めた裁判例

その一方で、調査費用の一部を損害として認めた裁判例もあります。

東京地裁 平成23年12月28

不貞相手が不貞行為の事実を否定しているものの、不貞相手の名前のみが記載されていた手帳があったという場合

この事案の場合は、不貞相手が不貞行為自体を否定しており、証拠と言えるようなものが手帳しかなかったものと思われます。

手帳に不貞相手の名前が記載されているだけでは、不貞行為を立証するための証拠としては不十分です。

つまり、不貞相手の名前はわかっているものの、不貞行為があったことを示す証拠は何もなかったことになります。

したがって、探偵の調査がなければ不貞を立証することはできなかったとして、調査は必要かつ相当なものと考えられたのでしょう。

これらのことから、調査費用が慰謝料の一部に算入されるかは、不貞行為を立証するために調査会社の報告書がどの程度必要であったかということにかかってくるといえますので、そのケースごとに判断が異なってきます。

また、明確な基準がなく各裁判官の判断によることが多いと思われますので、なかなか事前に予測することは困難でしょう。

そして、これまでの裁判例をみても、調査報告書の必要性が認められたとしても、調査費用の一部を慰謝料に算入されるにすぎないケースがほとんどです。

 

 

不倫(不貞行為)でお悩みの方は弁護士までご相談ください

以上のことを前提にすると、調査費用については、損害として慰謝料に含めて請求できると期待しないほうがよいでしょう。

調査費用は決して安くはなく、場合によっては弁護士に支払う着手金よりも多くなってしまうこともあります。

もっとも、不貞行為が立証できれば、離婚を有利に進めることができることもあり、調査にどの程度お金をかけていくかについては悩みどころです。

現在の手持ち証拠でどの程度不貞行為が立証できるのか、気になることがあると思います。

そのような場合には、私たちデイライト法律事務所の弁護士にぜひ一度ご相談ください。

離婚分野において経験豊富な弁護士がご相談に乗ります。

弁護士へのご相談はこちらをご覧ください。

また、提携している調査会社をご紹介し、証拠集めについてもご協力いたします。

お気軽に弁護士までご相談ください。

不倫(不貞行為)と慰謝料について詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

不倫(不貞行為)
執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

専門領域 / 個人分野:離婚事件 法人分野:労働問題  

実績紹介 / 離婚の相談件数年間700件超え(2019年実績)を誇るデイライト法律事務所の代表弁護士。離婚問題に関して、弁護士や市民向けのセミナー講師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおいて離婚問題での取材実績がある。「真の離婚問題解決法」「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を執筆。

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