児童手当や児童扶養手当は別居後すぐでも受給できますか?

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

掲載日:2017年2月20日|最終更新日:2020年6月1日

別居中。児童手当受給の質問です

先日、暴力を振るう配偶者から逃げるために別居を開始しました。

児童手当が配偶者の口座に振り込まれているのですが、自分に振り込まれるようにしたいです。

どうしたらよいでしょうか?

また、離婚するまでは児童扶養手当は受給できないのでしょうか?

弁護士の回答

児童手当は、配偶者に送った協議離婚申入書の写しと住民票を提出することで変更することが可能です。

また、児童扶養手当を離婚前に受け取るためには、DVの保護命令を受けていることなどが必要になってきます。

 

児童手当について

母子のイメージイラスト

児童手当は、児童の監護者に支給されるものです。

そのため、夫婦で別居を開始した場合には、児童を監護している方が受給すべきものなのです。

別居して子どもを育てている場合には、自分が監護者であることを示して、受給者を変更してもらうことができます。

変更のためには、別居が離婚のためである必要があるので、それを証明するものとして協議離婚申入書を配偶者に送っている場合には、その写しを持っていきましょう。

協議離婚申入書とは、弁護士に依頼すれば必ず相手方に送る書面の一つです。

しかし、弁護士名ではなくても、個人的に送ることもできます。

また、別居先に住民票を移している必要があります。

住民票を移していない場合には、簡単ですので住民票を移してしまいましょう。

 協議離婚申入書の写し

 住民票

上記の二つを持って役所に行けば受給者変更に応じてくれます。

もし応じてくれえない場合には、弁護士等に相談するのが良いでしょう。

 

 

児童手当はいくらもらえる?

児童手当の支給額をまとめると下表のようになります。

子供の年齢 子供1人当たりの月額
3歳未満 15,000円
3歳から小学生 第1子、第2子 10,000円
第3子以降 15,000円
中学生 15,000円
所得制限限度額以上の方   5,000円

 

具体例 3歳未満の子供1人、小学生の子供1人を監護している場合

3歳未満:15,000円

3歳から小学生(第1子):10,000円

所得制限:限度額未満


月額2万5000円を受給できます。

児童手当は、所得制限額を超えても、ゼロとはならず、子供1人あたり5,000円をもらうことができます。

したがって、上記の例であれば、1万円をもらうことが可能です。

所得制限の具体的な額は、扶養親族の数で異なりますが、扶養親族が1人の場合、年収(税引前)の目安は875万円くらいとなります。

したがって、多くのご家庭では、所得制限されることなく、上記の額を受け取ることが可能です。

所得制限の詳細な額については、こちらのページをご覧ください。

 

 

児童扶養手当について

児童扶養手当の受給要件には、下記のものがあります。

児童扶養手当の受給要件
  1. 父母が婚姻を解消した子ども
  2. ② 父又は母が死亡した子ども
  3. ③ 父又は母が一定程度の障害の状態にある子ども
  4. ④ 父又は母が生死不明の子ども
  5. ⑤ 父又は母が1年以上遺棄している子ども
  6. 父又は母が裁判所からのDV保護命令を受けた子ども
  7. ⑦ 父又は母が1年以上拘禁されている子ども
  8. ⑧ 婚姻によらないで生まれた子ども
  9. ⑨ 棄児などで父母がいるかいないかが明らかでない子ども

これらの要件で最も知られているのが①の離婚した場合だと思います。

そして、相談者は配偶者から暴力を受けていたということなので、DV保護命令を裁判所から受けることで、⑥の要件を満たすことができる可能性はあります。

 

 

児童扶養手当はいくらもらえる?

悩む母児童扶養手当の額は、子供1人の場合で最大4万2000円程度、子供二人だと最大5万3000円程度、以降子供が増えると、一人につき6000円程度が加算されます。

ただし、所得が多くなると、一部受給となり、一定の額を超えると受給できません。

児童扶養手当の額等については、頻繁に改正されるため、詳細については役場に問い合わせたほうがよいでしょう。

なお、こちらのページは、児童扶養手当の支給額、所得制限、支給時期をまとめています。

 

ただ、基本的には離婚前には児童扶養手当を受給できないといえます。

そのため、離婚していない状態の場合には、上記の児童手当の受給者変更をし、かつ、配偶者に婚姻費用を請求していくしかありません。

DVによる保護命令について、詳しくはこちらをご覧ください。

児童手当や児童扶養手当については、離婚をする中でご質問の多いところです。

児童手当や児童扶養手当について詳しくはこちらをご覧ください。

 

 

生活費を請求できる?

別居後に、児童手当等の受給を受けることも大切ですが、生活費の請求も重要です。

別居後は、相手に生活費を請求できないと思っている方が多いのです。

しかし、別居中の生活費は「婚姻費用」といって、収入が少ない配偶者(通常は妻側)は、収入が多い配偶者(通常は夫側)に対し、請求できる法的権利があります。

婚姻費用の額や請求方法については、こちらのページをご覧ください。

 

まとめ弁護士以上、別居後の児童手当等の収入について、詳しく解説しましたがいかがだったでしょうか。

正式に離婚するまでは何も受給できないと考えている方もいますが、離婚前であっても児童手当や婚姻費用を受給できます。

また、DV被害者の方であれば、児童扶養手当も受給できる可能性があります。

子供を育てるということは、思いのほか支出を要するため、受給権があるものは必ずもらうようにしましょう。

当事務所の家事事件チームに所属する弁護士は、皆ファイナンシャル・プランナーの資格をも取得しており、公的扶助に関する知識も豊富です。

子育てや収入でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

 

ご相談の流れはこちらをご覧ください。

 

 

手続き
執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

専門領域 / 個人分野:離婚事件 法人分野:労働問題  

実績紹介 / 離婚の相談件数年間700件超え(2019年実績)を誇るデイライト法律

事務所の代表弁護士。離婚問題に関して、弁護士や市民向けのセミナー講師として

も活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおいて離婚問題での

取材実績がある。「真の離婚問題解決法」「弁護士プロフェッショナル」等の書籍

を執筆。



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