半年間妻に拒絶されていた面会交流を実現させた事例

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

掲載日:2016年4月12日|最終更新日:2020年2月10日



ご相談者Nさん (東京都江東区)
婚姻期間:10年
解決方法:協議
子どもあり (5歳、3歳)

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

状況

Nさん夫婦は、10年前に結婚して、二人の子ども(5歳、3歳)を授かりました。

しかし、妻が一方的に子ども達を連れて別居し、Nさんを子ども達に会わせず、電話も繋がらないようにしてしまいました。

Nさんは子ども達と接触できない状況が半年も続いていました。

 

弁護士の関わり

弁護士は、Nさんから面会交流を叶えたいとの依頼を受け、妻に面会交流を求める書面を送付しました。

当初、妻は、Nさんに子ども達を連れ去られるのではないかという不安から子ども達を会わせることを拒絶し、子ども達もNさんとの面会交流を望んでいないとの主張をしていました。

そのため、弁護士は妻に対して、同居中のNさんと子ども達との関係が良好であったことや、父親であるNさんが子ども達に対して虐待をしていたというような、面会交流を制限される事由がないことを説明しました。

Nさんも、子ども達を連れ去るというような意思はなく、面会交流の開始時間と終了時間を厳守する意向であることを丁寧に説明しました。

また、裁判所での面会交流調停や審判の手続になった場合でも、Nさんに面会交流制限事由がない限り、最低限月1回程度の面会交流が認められ得ることを伝えました。

弁護士が妻に対して時間を掛けて丁寧に説明したことから、妻もNさんと子ども達を会わせることに対する不安が軽減され、今後はNさんと子ども達が定期的(1週間に1度)に面会交流を実施するという内容で合意することができました。

Nさんは、弁護士へ依頼してから約2週間という短期間で、子ども達と面会交流ができるようになりました。

 

補足

面会交流は、面会交流を制限される事由がない限り、原則として実施されるべき別居親と子の交流です。

もっとも、別居や離婚した夫婦は、その感情的対立等の理由から、別居親と子の面会交流を拒絶しようとする同居親がしばしば見受けられます。

 

面会交流実現への手段

面会交流を実現する方法として、協議による方法の他、裁判所へ調停を申し立てるという方法もあります。

いずれも話し合いを前提とするものですが、裁判所を通して面会交流の調停を行う場合、話し合いの機会も1か月〜2か月に1回程度となり、長期間(少なくとも半年以上)を要するため、面会交流を実現するまでに時間がかかり、子どもと会えない期間が長期化してしまいます。

また、合意の内容としても面会交流の頻度を1か月に1回とするのが相場であると考えられます。

一方、裁判所を通さない協議による方法であれば、話し合いの頻度や条件も柔軟に行うことができる可能性がありますので、まずは弁護士を通じて交渉するのが得策といえます。

 

なかなか子ども達と会えない場合

弁護士しかしながら、協議の場には、子ども達が直接出てくることはほとんどありません。

そのため、同居親が「子どもが会いたくないと言っている」などと子どもの意思を理由に面会交流を拒絶している場合、子ども達の意思を直接確かめる手段がありません。

子どもが言葉として別居親に会うことを拒絶している場合であっても、それが同居親への配慮から言葉として拒絶しているときがあります。

特に幼少であればあるほど子どもは同居親に同調し、同居親が別居親に対する悪感情を敏感に察知しますので、拒絶の言葉が真意によるものではないケースがあります。

その場合は、面会交流調停のなかで、家庭裁判所調査官の関与や、調査官より子どもの意思を確認してもらうなどの調査発令を裁判官に求めるべきでしょう。

また、別居親と子が面会交流を実施することに対する同居親の不安が強い場合には、同じく面会交流調停のなかで「試行的面会交流(裁判所の児童室等で調査官の調査(観察)のもと行われる、別居親と子の面会交流の試行。)」等を実施することで、実際の面会交流の実施に繋がる場合もあります。

 

 

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

専門領域 / 個人分野:離婚事件 法人分野:労働問題  

実績紹介 / 離婚の相談件数年間700件超え(2019年実績)を誇るデイライト法律事務所の代表弁護士。離婚問題に関して、弁護士や市民向けのセミナー講師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおいて離婚問題での取材実績がある。「真の離婚問題解決法」「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を執筆。





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