要求された慰謝料を0円にし、離婚した夫Kさんの事例

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

掲載日:2017年8月14日|最終更新日:2020年2月7日

ご相談者Kさん (佐賀県鳥栖市)
職業:無職
世帯年収:800万円
婚姻期間:6年
解決方法:協議
子どもあり (一人)
離婚を切り出した

相手:会社員

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート無 サポート有 減額利益
慰謝料 300万円 0円 300万円
財産分与 500万円 500万円
養育費 月額12万円 月額7万円 月額5万円

 

状況

Kさんは、約6年前に妻と結婚しました。

Kさんと妻は、結婚の翌年に第一子をもうけるなど幸せに暮らしていました。

ところが、結婚して数年経つと、妻は、ことあるごとに実家への帰省を繰り返すようになりました。

Kさんは、普通の帰省あれば特に不満もなかったのですが、1回の帰省期間が長期間だったり、頻度がだんだん増えていったことから、妻に対し不満をもつようになりました。

そして、その他の事情も重なって妻に対する不満が限界に達したKさんは、妻に対し離婚したいと告げました。

母子妻は、離婚に応じようとはしなかったものの、子どもを連れて実家に帰ったため、Kさんとの別居が始まりました。

ただ、別居後も妻が離婚する様子はなく、途方にくれたKさんは弁護士に相談の上依頼することになりました。

 

※この事例は、以下争点ごとに弁護士の関わりと補足説明を掲載しています

弁護士の関わり

慰謝料の減額について

弁護士は、まず、妻に対し離婚協議申入書を送付しました。

すると、相手方もすぐに弁護士をつけた上で、離婚をする意思はないこと、仮に離婚をする場合は、慰謝料を300万円とする請求をしてきました。

法的見地からは、相手方の主張する養育費は適正額を大幅に上回っており、慰謝料も発生しない可能性の高い事案でした。

また、財産分与についても、争点はあるものの500万円まで認められる可能性は低いと考えられました。

しかしながら、相手方と離婚条件についての合意ができなければ協議で離婚をすることは出来ません。

そのため、相手方の要求が法的見地から妥当でないと考えられる場合であっても、「その条件は法的にみて不当である!」と拒否をするわけにはいきません。

そこで、弁護士は、法的見地から妥当と思われる条件を示した上で、併せて早期解決を前提とした条件を示す書面を相手方に送付しました。

そうすると、相手方の要求をそのまま受け入れるわけには行かないものの、協議で解決をすることが相手方にもメリットがあるということが一見して把握できるようになりました。

その結果、離婚を拒絶し過大な要求を続けていた相手方も、少しずつこちらへの譲歩の姿勢を見せ、慰謝料に関して妥当と思われる内容で合意をすることができました。

養育費の減額について

妻は離婚をする場合、少なくとも月に12万円の養育費が必要であること等を主張してきました。

養育費の算定は、夫婦双方の収入を基礎に算定されますが、相手方は、現在無職であり相手方の収入は0として算定すべきとの主張でした。

そこで弁護士は、相手方には潜在的稼働能力があり働けない事情もないこと等を主張した上で、一定程度の収入はあるとみなすべきとの主張をしました。

そして、Kさんの収入資料を相手方に示した上で、適正額での合意が成立するよう交渉をしていきました。

その結果、財産分与での条件の譲歩等も影響し、ほぼ適正額に近い金額で合意を成立させることが出来ました。

 

補足

慰謝料の減額について

本事例は、依頼者がどうしても協議で離婚をしたいとの希望をもっていました。

そのような場合、基本的には相手方の要求を受け入れる方向での交渉をしていく必要があります。

なぜなら、相手方の要求を受け入れられないとした時点で交渉は決裂し協議での解決が出来なくなるからです。

しかしながら、本事例のように過大な要求をされている場合に相手方の要求をそのまま受け入れるわけにはいきません。

そのような場合は、協議で離婚をすることが相手方にとってもいかに有益であるかを説明しつつ、交渉が決裂しない範囲で減額の交渉をしていくことになります。

ご相談に来られる方の中には、早期に離婚をしたいがために相手方の要求する条件をそのまま受け入れ合意書まで作成してしまったという方もいらっしゃいます。

しかし、一度合意をしてしまうとその合意を覆すのは限りなく困難です。

そのため、協議で離婚をしたい、早期に離婚をしたい、という方でも、早々に相手方の要求を受け入れるしかないと判断してしまわず、まずは一度ご相談ください。

養育費の減額について

本事例は、結果的に協議離婚を成立させることが出来ましたが、当初の相手方の態度からすると協議が決裂し調停に移行する可能性が高い事案でした。

離婚の方法としては、協議離婚、調停離婚、訴訟離婚の3つの方法がありますが、裁判所を使った手続き(調停・訴訟等)よりも、協議で離婚が成立したほうが、依頼者への経済的・精神的・時間的負担が少ないことがほとんどです。

そのため、弊所では、基本的に協議から行うようにしており、一見協議での解決が困難に見える事例でも粘り強く交渉をしていくことで協議で解決出来た事例が多数ございます。

相談者の方の中には、ご自身が相手方と協議をしてきた経緯を踏まえ、すぐにでも調停をしたいという方も見受けられれますが、弁護士が介入して協議を行った場合には当事者同士の場合よりも冷静に話をできることが多く、まずは協議での解決を試みる価値は十分にあると思います。

もちろん場合によってはすぐに調停に移行すべき事案もありますので、手続きや今後の進め方についてお悩みの方は、是非離婚専門弁護士に相談することをお勧め致します。

 

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

専門領域 / 個人分野:離婚事件 法人分野:労働問題  

実績紹介 / 離婚の相談件数年間700件超え(2019年実績)を誇るデイライト法律事務所の代表弁護士。離婚問題に関して、弁護士や市民向けのセミナー講師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおいて離婚問題での取材実績がある。「真の離婚問題解決法」「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を執筆。





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