浮気夫と愛人から慰謝料を回収し有利な条件で離婚した事例

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士保有資格 / 弁護士・税理士・MBA
ご相談者Kさん (福岡市早良区)
職業:専業主婦
世帯年収:700万円
婚姻期間:約20年
解決方法:裁判
子どもあり (長女)
離婚を求められた

相手:50代会社員

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

サポート無 サポート有 増額利益
養育費 学費のみ 月額15万円 月額8万円以上
財産分与 1000万円 1120万円 120万円
慰謝料 0円 解決金として
200万円
200万円
年金分割 なし 50% 50%
その他 0円 150万円 150万円

 

 

状況

Kさんは、平成8年に夫と結婚をし、翌年には長女が誕生しました。

しかしながら、平成12年頃、夫は浮気をし、その上浮気相手を妊娠させてしまったことが発覚しました。

Kさんは、夫の裏切り行為に深く傷ついたものの、長女がまだ幼かったことや、もう一度夫を信じたいという気持ちがあったことから、平成12年頃の浮気については夫を許すことにしました。

しかしながら、平成27年頃から夫が不審な行動をとるようになり、Kさんが調査をすると夫が再び浮気をしていることが発覚しました。

その上、夫はKさんに対し執拗に離婚を求めてくるようになり、Kさんが離婚を拒んでいるとKさんの了承を得ることなく自宅から出て行きました。

今回の愛人は、平成12年頃の浮気相手とは別の人物でしたが、自宅を出て行った夫が愛人と同棲を始める等、前回とは異なり浮気は一時的なものではありませんでした。

Kさんとしては、このような身勝手な夫とは出来る限り多くの金銭をもらって早く離婚をしたいという気持ちと、夫の思い通りにすんなりと離婚をしたくはないとの気持ちがありました。

しかしながら、Kさんが今後の方針に迷っている間にも夫からの執拗な離婚の要求は続いており、夫はKさんの了承を得ていないにもかかわらず離婚届を偽造して提出するという暴挙に出ました。

結局、役所からKさんに対する問い合わせがあったため、偽造離婚届が受理されることはありませんでしたが、そのような形振り構わなくなった夫への対応と今後の適切な方針を弁護士に任せたいと思い、Kさんは弊所の離婚専門弁護士に依頼をされました。

 

 

弁護士の関わり

Kさんの気持ちを踏まえ、弁護士は、離婚協議をゆっくりと進めつつ、少しでも多くの利益を獲得するという方針で進めていくことに決めました。

そのため、資料の開示や連絡のやり取り等の交渉は、書面を通じてじっくりと行っていきました。

しかしながら、Kさんが依頼されて4ヶ月程経つと、思うように離婚が進まないことに痺れを切らし、夫側も弁護士を立ててきました。

そして、夫側代理人は、しばらくすると離婚調停を申し立ててきました。

もっとも、離婚調停を申し立てられた直前に相手方が提示してきた条件が好条件であったこともあり、調停を申し立てられてはいたものの、Kさんは調停外での合意を成立させることに決めました。

結果的に、Kさんは、ゆっくり時間をかけ交渉をして夫を苦しめつつ、当初夫が提示していた以上の好条件で浮気夫との離婚を成立させることが出来ました。

次に、Kさんは愛人への慰謝料請求を行いました。

愛人へ慰謝料請求をすると、夫が間に入ってきて慰謝料は一切支払わない旨の主張をしてきました。

しかしながら、Kさんは、夫と愛人との不貞関係の証拠をしっかり持っていたため、すぐに訴訟を提起することにしました。

結果的に、訴訟においても愛人は夫との不貞関係を認めませんでしたが、証拠上自己が不利であることを察しており、Kさんは解決金の名目で150万円を獲得することに成功しました。

 

 

補足

本件について、以下のとおり補足します。

離婚について

裁判所が離婚を認めるには、法律上定められている5つの離婚原因のどれかに当てはまらなければなりません。
すなわち、①相手方の不貞行為、②悪意の遺棄、③3年以上生死不明、④回復の見込みのない精神病、⑤婚姻を継続しがたい重大な事由の5つです。
本件において、Kさんから夫に対する離婚請求であれば、①相手方(夫)の不貞行為があるため、離婚原因ありとして裁判所が離婚を認めてくれることになります。
他方で、夫からKさんに対する離婚請求においては、特に離婚原因がなく、また不貞行為を行った夫は有責配偶者としての扱いを受け、有責配偶者からの離婚請求は簡単には認めてもらえません。
しかしながら、今回、夫は不貞行為自体を認めておらず、また、仮に不貞行為があるとしてもそれは夫婦関係が破綻した後のことであるため、夫は有責配偶者にはあたらないし、慰謝料も発生しないとの主張をしていました。
訴訟になれば、不貞行為の存在はKさんが立証しなければならず、破綻の事実については夫が立証する必要がありました。
結果的に、離婚について条件が整ったため、訴訟で互いに主張・立証をしていくということにはなりませんでしたが、夫の主張を踏まえると訴訟に至れば解決までにかなりの長期間を要したと考えられます。

財産分与について

本件では、相手方は財産分与として1000万円を支払うとのざっくりとした提案をしていました。
しかしながら、Kさんの話をもとに弁護士が検討をすると、財産分与額は1000万円を超える可能性がありました。
そこで、弁護士は相手方に対し、まずは財産資料の開示を求め、退職金等も含め財産分与を詳細に計算しました。そして、財産関係を一覧できるよう財産目録を作成の上、相手方に適性額の財産分与をするよう主張していきました。
結果的には、財産分与額は1000万円から1120万円に上がり、財産分与だけで120万円の増額ができました。

財産分与について、詳しくはこちらをご覧下さい。

退職金の財産分与該当性について、詳しくはこちらをご覧下さい。

慰謝料について

不貞行為に基づく慰謝料請求において、慰謝料額は婚姻期間の長さや不貞行為の期間の長さや態様、不貞行為が原因で離婚に至ったかどうか等の様々な事情を総合考慮した上で決まります。
また、慰謝料を請求する相手は、夫か愛人のどちらかだけでもいいですし、双方に請求することも可能です。
もっとも、夫と愛人のどちらかが先に慰謝料の支払いをしていた場合、その後他方に慰謝料請求をしたときには、先に支払われた慰謝料の金額が考慮されることになります。

本件において、Kさんは、夫と愛人の不貞行為につき、先に夫に対し、その後愛人に対して慰謝料請求を行いました。
夫と愛人の双方とも不貞行為は認めてはいませんでしたが、示談や訴訟上の和解により、夫からは解決金200万円、愛人からは解決金150万円を獲得することが出来ました。
このように、本件では結果的に当事者の合意で解決しており、裁判所が判断したわけではないため、比較的高額な慰謝料(解決金)を獲得できました。
しかしながら、仮に、夫と愛人の不貞行為によりKさんが被った損害が慰謝料200万円分だとすると、先に夫から200万円を受け取っているため、Kさんの愛人に対する慰謝料請求は認められない可能性がありました。
既にKさんの損害はカバーされていると考えられるからです。
もっとも、今回夫は慰謝料としてではなく解決金の名目で200万円を支払っていたという事情がありますので、愛人が先の夫の200万円の解決金は実質慰謝料にあたるものとの主張立証をする必要があるでしょう。

慰謝料について、詳しくははこちらをご覧下さい。

 

本事例は、夫に対する請求も愛人に対する請求も、裁判所の判断ではなく当事者の合意によって解決できたため、比較的高額な経済的利益が発生したといえます。

そして、当事者の合意で解決するためには交渉技術が不可欠となります。

当事務所には、離婚問題に特化し交渉での解決実績を多数もつ弁護士が在籍しておりますので、離婚問題に悩まれている方は、是非当事務所の離婚弁護士までお気軽にご相談ください。

 

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