精神疾患のある妻との離婚【弁護士が事例で解説】

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

ご相談者Cさん (福岡県大野城市)
職業:医師
婚姻期間:7年
解決方法:協議
子どもあり (5歳女の子)
離婚を切り出した

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

嫁が精神的におかしいため不安です・・・

うつ病の場合に離婚は可能ですか?


なるべく早く解決したい場合どうすればいいですか?

当事務所の離婚事件チームにはこのようなご相談が多く寄せられています。

このような場合の対処法について、当事務所の弁護士が実際の解決事例をもとに解説しますので参考にされてください。

状況

医師であるCさんは、妻と結婚してから7年が経過し、子どもは長女(5歳)が一人いました。

性格の不一致などのため、数年前から夫婦仲が悪化していました。

また、妻は、数年前から軽度の精神疾患にかかっており、半年前にスーパーで万引きして逮捕されていました。

Cさんは、妻に対し、今度万引きしたら離婚すると話していましたが、また、妻はスーパーで万引きをして逮捕されました。

Cさんは、妻とは離婚したいが、親権は譲るつもりはないと当事務所に相談に来ました。

 

弁護士の関わり

当事務所は、妻と面談し、離婚交渉を開始しました。

結果として、現金300万円、夫名義のマンションを財産分与する代わりに、親権を夫とするということで協議離婚が成立しました。

受任から離婚まで1か月というスピード解決となりました。

 

補足

子どもさんが小さい場合、通常、親権は母親が有利です。

ただし、今回は、妻の犯罪、精神疾患、夫の専門職業などから裁判になった場合、夫に親権が認められる可能性は十分ありました。

ただ、早急に解決したいという要望に応えるため、条件の良い財産分与を提示し、妻を説得することで、1か月間という早さで解決できました。

うつ病と離婚に関連する解決事例はこちらをご覧ください。

 

 

精神疾患と離婚原因

弁護士上記は妻が軽度の精神疾患にかかっていた事案での離婚の解決事例です。

このような事案において、まず、押さえておかなければならないのは、「仮に裁判となったときに裁判官が離婚判決を出してくれるか」ということです。

なぜならば、裁判で離婚が認められるか否かは、今後の協議に多きな影響を及ぼすからです。

すなわち、裁判で離婚が認められる事案であれば、相手は協議に応じてくれる可能性が高くなる傾向があります。

要因はいろいろと考えられますが、相手としては「どうせ裁判でも離婚が認められるのなら抵抗しても仕方がない」という心理状態にあることが影響していると思われます。

反対に、裁判で離婚が認められない事案の場合、協議が難航する傾向にあります。

では、精神疾患の場合、裁判所は離婚を認めてくれるのでしょうか。

裁判所が離婚を認める場合については、民法に規定があります。

これを離婚原因といい、民法は次の5つの場合を規定しています。


この中で、直接該当する可能性があるのは、④相手方が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないときです。

しかし、これが離婚原因となると、精神病にかかった相手方は自己の責任ではないにもかかわらず、配偶者から療養費等の経済的支援を得られなくなってしまいます。

そのため、この離婚原因については、裁判所は厳格に判断する傾向にあります。

参考裁判例
最判昭33.7.25
「たとえかかる場合においても、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできるかぎりの具体的方途を講じ、ある程度において、前途に、その方途の見込のついた上でなければ、ただちに婚姻関係を廃絶することは不相当と認めて、離婚の請求は許さない」

このような裁判例からすると、少なくとも、軽度の精神疾患(適応障害、うつ状態など)の場合、それだけを理由に離婚は難しいと考えられます。

なお、当事務所は、重度の精神病をもつ妻との離婚を成立させた事例があります。

この事例について、詳しくはこちらのページを御覧ください。

なお、④の離婚原因にあたらない場合でも、別居期間が相当程度となっていれば、⑤に該当する可能性があります。

離婚原因について、詳しい解説はこちらのページを御覧ください。

 

 

スピード解決のために

この事案のように、裁判で離婚が認められないようなケースで、スピード解決を希望される場合、ポイントは「相手が納得できる離婚条件」を提示することです。

例えば、次のような提示です。

  • 本来は慰謝料が発生するような事案ではなくても、慰謝料を提示する
  • 通常の基準を大幅に上回る財産分与や養育費を提示する
  • 離婚後も一定期間、定期給付を約束する

 

まとめ弁護士

以上、相手に精神疾患がある場合の離婚問題について、事例をもとに解説しましたがいかがだったでしょうか。

このような事案では、まず、離婚原因の有無の見極めがポイントとなります。

離婚原因については、精神疾患の程度が重要な判断材料となります。

また、スピード解決を望むのであれば、相応の負担を覚悟することになるでしょう。

あまり急いでいないのであれば、じっくりと交渉や調停を経て解決するという選択肢もあります。

当事務所では、離婚問題に注力した弁護士のみで構成される離婚事件チームがあり、離婚に関する様々な情報やノウハウを共有しており、離婚問題に苦しむ方々を強力にサポートしています。

全国対応しており、遠方の方に対しては、LINEなどを活用したオンライン相談も実施しています。

お一人で悩まずに、お気軽にご相談ください。

 

ご相談の流れはこちらをご覧ください。

 

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

専門領域 / 個人分野:家事事件 法人分野:労務問題  

実績紹介 / 離婚の相談件数年間700件超え(2019年実績)を誇るデイライト法律事務所の代表弁護士。離婚問題に関して、弁護士や市民向けのセミナー講師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおいて離婚問題での取材実績がある。「真の離婚問題解決法」「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を執筆。





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