男性でありながら親権を取得できたTさんの事例

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

掲載日:2016年3月2日|最終更新日:2020年1月30日

ご相談者Tさん (福岡市城南区)
子どもあり
離婚を求められた

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

状況

Tさんの妻は、精神疾患(統合失調症)を患っていました。

家事も育児も十分に行える状態ではなく、自傷行為もありました。

それにとどまらず、Tさんは、妻に包丁を向けられたこともあります。

放っておくと、他者に危害を加えることも十分に予見できました。

Tさんは、何度も、妻に、病院にきちんと通院するように説得しました。

しかし、妻は、説得には応じませんでした。

Tさんが、無理やりに通院させても、すぐに自分の判断で断薬してしまうのです。

統合失調症にとって、自身の判断での断薬は、絶対に行うべきではありません。

妻の症状は、寛解せず、悪化の一途をたどったのです。

そのような折、妻は、突然、子どもを連れて一方的に別居してしまいました。

Tさんは、この突然の連れ去り劇に、子どもが心配でならず、すぐに弁護士に相談することにしました。

 

弁護士の関わり

弁護士は、相談を受け、一刻を争う自体であると考えました。

そして、急ピッチで、子どもの監護者指定及び子どもの引渡し請求ならびに保全処分の申立てを行いました。

保全処分も合わせて申し立てたことにより、10日後に審問の期日が入りました。

その期日の審問においては、弁護士は、以下のように訴えました。

  1. 妻が統合失調症を患って以後は、主たる監護者がTさんであったこと
  2. 同意なく連れ去られたこと
  3. 妻の病気を鑑みると、子どもの福祉に反する環境にあること

その結果、無事に保全が認められ、子どもを取り返すことができました。

さらに、本案でも、無事に、監護者にはTさんが指定されました。

裁判所の判断に、妻も諦めたのでしょう。その後の離婚協議では特に大きなトラブルもなく、Tさんが希望する内容で離婚が成立しました。

 

補足

夫婦の争いというと、すぐに離婚調停を申し立てると思われるかもしれません。

しかし、本件のように、子どもが連れ去られたという事件の場合、そのような悠長な時間はありません。

では、どうすればよいのでしょうか。

正解は、監護者指定・子どもの引渡し、同保全処分を速やかに(連れ去りから数日の間に)申し立てることです。

ただし、監護者指定・子どもの引渡しは、生半可な手続きではないため、費用面でも精神的肉体的負担という面でもかなりの覚悟が必要です。

具体的には、監護者指定の前提として、子どもの監護に関する状況の陳述書を弁護士に依頼後に速やかに作成していただく必要があります。(書き方は弁護士から指示があるので、それに従ってください。)

また、一般に、子どもの奪い合いである監護者指定の局面では、どちらも監護権をほしいがゆえに、ともすれば嘘と思われるような極端な主張を行うことが多々あります。

その結果、精神的にもかなり疲弊していくことが予想されます。

そのため、私は、監護者指定を申し立てるに際しては、かなりの覚悟を依頼者の方に要求しています。

その覚悟がなければとても戦えないからです。

ともあれ、この手続はスピード勝負という側面があります。

連れ去りが行われたという場合には、すぐに、この分野に詳しい弁護士に相談しましょう。

 

 

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

専門領域 / 個人分野:離婚事件 法人分野:労働問題  

実績紹介 / 離婚の相談件数年間700件超え(2019年実績)を誇るデイライト法律

事務所の代表弁護士。離婚問題に関して、弁護士や市民向けのセミナー講師として

も活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおいて離婚問題での

取材実績がある。「真の離婚問題解決法」「弁護士プロフェッショナル」等の書籍

を執筆。





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