不倫した夫からの離婚にどう対応する?【弁護士が事例で解説】

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

掲載日:2016年4月12日|最終更新日:2020年5月29日

不倫発覚不倫した夫から離婚を切り出されたどうしたらいいですか?

旦那が不倫をしたことが発覚、どうしたらいいですか?

離婚する場合はどのような条件が適切ですか?
当事務所の離婚事件チームにはこのようなご相談が多く寄せられています。

このような場合の対処法について、当事務所の弁護士が実際の相談事例をもとに解説しますので参考にされてください。



ご相談者Aさん (佐賀県佐賀市)
婚姻期間:1年半
解決方法:調停
子どもあり (1歳女の子)
離婚を求められた

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

状況

Aさんは、夫と結婚して1年半で、1年ほど前に女の子を出産しました。

出産して間もなく、夫は同じ職場の女性と不倫し、そのあげくにAさんに対して離婚を要求するようになりました。

Aさんは、生まれたばかりの子供のことを第一に考え、何度も夫を説得しましたが、夫の不倫は止むことなく、別居することとなりました。

Aさんは今後どうしたらよいか分からず、当事務所に相談に訪れました。

 

弁護士の関わり

面談当事務所の弁護士は、Aさん夫婦が離婚を回避できないかを確認するため、夫と面談しました。

しかし、夫の離婚の意思は固く、もう一度やり直すのは難しい状況でした。

Aさんは、そんな身勝手な夫に愛想を尽かし、有利な条件であることを前提に離婚を希望するようになりました。

夫とAさんの収入からすると、養育費の算定表情の適正額は月額 5万円となりました。

弁護士は、夫に対し、離婚に応じる代わりに、Aさんが望む条件で合意するように説得しました。

粘り強い交渉の結果、Aさんは慰謝料 500万円(長期分割)、養育費として月額 7万円の支払を受けるという条件で協議離婚が成立しました。

不倫をした夫との年金分割など様々な争点に関する事例は、こちらをご覧ください。

 

補足

本来、不倫をした夫(有責配偶者)からの離婚は、判例上原則として認められません。

したがって、この事件では、Aさんが離婚を望まなければ、夫の離婚請求は認められません。

しかし、Aさんは、身勝手な夫と復縁するよりも、最大限有利な条件で離婚し、再出発した方が子どものためにもなると考え、離婚を受入れました。

 

 

事例に学ぶ身勝手な夫との離婚

この事例をもとに、不倫をした夫からの身勝手な離婚の要求にどのように対応すべきか解説します。

離婚するか否かはあなたしだい

いくら夫が離婚を希望しても、裁判で離婚が認められるためには、法定の離婚原因が必要です。

これには5つあります。

この事案では、上記のどれにも該当せず、裁判になったら離婚は認められません。

別居して長期間が経過すれば、⑤が認められる可能性があります。

しかし、不倫をした夫は有責配偶者と認定され、この場合の離婚請求は、判例上、次の3つの要件を満たす必要があります。

弁護士

  1. ① 夫婦の別居が両当事者の年齢及び別居期間との対比において相当の長期間に及ぶこと
  2. 夫婦間に未成熟子が存在しないこと
  3. ③ 相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚を許容することが著しく、社会正義に反するといえるような特段の事情が認められないこと

この事案では、1歳の女の子がいました。

そのため、その子が成熟するまでは夫の離婚請求は認められないと考えられます。

離婚原因や有責配偶者の問題については、こちらのページで解説しています。

以上から、離婚するか否かはあなたしだい、といえます。

どんなに良い条件でも離婚に応じるつもりはない、ということであれば、相手の要求に屈することなく、拒絶すれば離婚は成立しません。

 

経済的利益を最大化する

お金もし、あなたが「有利な条件であれば離婚に応じても良い」というお気持ちであれば、次に、その条件を最大限有利にすることが重要です。

ただ、相手には支払い能力があります。

あまりに法外だと、話は進まずに泥沼化した状態が続いてしまします。

ここで重要なことは、裁判所の基準を押さえるということです。

この事案では、双方の年収からすると養育費は月額 5万円程度が相場でした。

慰謝料については、ケース・バイ・ケースですが、基本的には 200万円から 300万円での判決が多い傾向です。

この事案では夫には預貯金がありませんでした。

このような状況において、養育費を月額 7万円、慰謝料 500万円(長期分割)は、妻側にとって納得がいく条件でした。

養育費の算定表については、こちらをご覧ください。

 

まとめ弁護士以上、不倫した夫からの離婚の要求について、事例をもとに解説しましたがいかがだったでしょうか。

離婚問題では、まず、「裁判になったら離婚が認められるか」を押さえなければなりません。

特に、相手に有責性がある場合は、離婚のためにどの程度の別居期間が必要となるかも重要な指標となります。

そして、適切な離婚条件、この事案ではあれば養育費の額や慰謝料についての判断が必要です。

これらについて、適切な見通しを立てることで、今後、提示すべき条件や対応が変わってきます。

これらについて、的確に判断するために、離婚問題の専門家に相談されることをお勧めします。

当事務所では、離婚問題に注力した弁護士のみで構成される離婚事件チームがあり、離婚に関する様々な情報やノウハウを共有しており、離婚問題に苦しむ方々を強力にサポートしています。

全国対応しており、遠方の方に対しては、LINEなどを活用したオンライン相談も実施しています。

お一人で悩まずに、お気軽にご相談ください。

 

ご相談の流れはこちらをご覧ください。

 

 

 

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

専門領域 / 個人分野:家事事件 法人分野:労務問題  

実績紹介 / 離婚の相談件数年間700件超え(2019年実績)を誇るデイライト法律事務所の代表弁護士。離婚問題に関して、弁護士や市民向けのセミナー講師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおいて離婚問題での取材実績がある。「真の離婚問題解決法」「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を執筆。





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