多額の借金をしていた夫から自宅を取得し、熟年離婚をした妻Fさん

執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会 

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

ご相談者Fさん (北九州市小倉北区)
職業:パート
世帯年収:300万円
婚姻期間:約30年
解決方法:協議
子どもあり (3人)
離婚を切り出した

相手:無職(年金収入)

※実際の事例を題材としておりますが、事件の特定ができないようにイニシャル及び内容を編集しております。なお、あくまで参考例であり、事案によって解決内容は異なります。

依頼前 依頼後 利益
離婚 ×不成立 ○成立
財産分与 0円 自宅を取得 約1000万円
年金分割 × 50% 50%

 

状況

Fさんは、昭和55年に夫と結婚し、その後に3人の子どもを授かりました。

しかし、夫は、当時、勤めていた会社で不祥事を起こし、その損害賠償のためにFさんのお父さんから1000万円を借り入れました。

にもかかわらず、夫は、日常的にFさんに対して、「誰のおかげでメシが食えている!」「役立たず!」などの暴言を吐いていました。

そのため、夫婦関係が悪化し、夫が自宅を出るという形で平成10年に別居することとなりました。自宅は夫名義であり、別居後も夫は住宅ローンを支払い、完済していました(別居後に夫が支払った住宅ローンの総額は約1100万円)。

それから15年以上もの歳月が経過しましたが、自宅が夫名義のままであったため、Fさんは今後について不安に感じ、当事務所に来所しました。

自宅の価値:時価約1000万円

 

弁護士の関わり

弁護士は、夫との協議離婚の交渉を受任しました。

そして、夫に対して書面を送り、弁護士がFさんの代理人となったこと、今後Fさんとの接触禁止を通知しました。

夫は、離婚自体には異論はないものの、別居後も夫が自宅の住宅ローン(1100万円)を支払ってきたことから、もし、Fさんが自宅を取得するのであれば、代償金を支払ってほしいと主張してきました。

これに対し、弁護士は、夫がかつてFさんのお父さんに借金をし、それが返済されていないことを理由に、自宅をFさんが取得しても、代償金を支払う必要がないこと等を伝え、交渉しました。

その結果、Fさんは、自宅を財産分与として取得することができました。

 

補足

本件では、夫が住宅ローンを別居後も支払っており、自宅の時価も1000万円程度であったことから、Fさんが自宅を取得する場合、本来であれば、夫に代償金を支払う必要がありました。

また、夫がFさんのお父さんから借入れしていたとはいえ、それはあくまでお父さんの債権であり、離婚とは直接関係がありませんでした。

しかし、Fさんとしては、お父さんからの借り入れについても、十分考慮されるべきであるという心情でした。本件では、このようなFさんの考えを伝えるだけではなく、裁判に至ったときの夫側のデメリット等を伝え、粘り強く交渉した結果、有利な解決となりました。

この事例の離婚に関する説明は、こちらをごらんください。

この事例の年金分割に関する説明は、こちらをごらんください。

なお、今回の事案のようなモラハラ夫について、くわしくは当事務所のDV・モラハラサイトをご覧ください。

 

 


執筆者
弁護士 宮崎晃

弁護士法人デイライト法律事務所 代表弁護士

所属 / 福岡県弁護士会・九州北部税理士会

保有資格 / 弁護士・税理士・MBA

専門領域 / 個人分野:家事事件 法人分野:労務問題  

実績紹介 / 離婚の相談件数年間700件超え(2019年実績)を誇るデイライト法律事務所の代表弁護士。離婚問題に関して、弁護士や市民向けのセミナー講師としても活動。KBCアサデス、RKB今日感テレビ等多数のメディアにおいて離婚問題での取材実績がある。「真の離婚問題解決法」「弁護士プロフェッショナル」等の書籍を執筆。





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